知っておきたいADHDの部下への指導メソッド【実体験から話します】

今回はいつもと志向を変えて「知っておきたいADHDの部下への指導メソッド」について書いていきます。
本記事はADHDの部下への指導に悩まれている方とADHDで悩まれている方に向けて解説していきます。

・ADHDって何?
・ADHDへの指導方法が知りたい!
・ADHDってどう向き合えばいいの?
と言う方は解決できる記事になっています。
私のリアルな実体験をもとにお話ししますのでADHDの方との接し方を参考にしていただけたらと思います。
あなたの職場にADHDの方はいらっしゃいますか?
ADHDの方は今ではめずらしくなく社会人の約20人に1人はADHDだそうです。
では、あなたに聞きます。
あなたの部下や同僚がADHDだったら差別なく接することができますか?
また、これから同じ職場で働く機会があるときに差別なく接することができますか?
・「いや、少し抵抗があるな・・・」
・「無理だと思います・・・」
気持ちは確かにわかります。
思うように話が通じなかったりイライラすることもあると思います。
しかし私は、そういう方の考えを無くしていきたい。
ADHDで悩んでいる方も自信を持って欲しい。
私は実際にADHDの部下を持ち多くのことを学びました。
この記事を読んで少しでも考え方が変わって頂ければ嬉しいです。
目次
1 ADHDとは?
2 ADHDの部下
3 ADHDの部下への指導
3.1 放置しない
3.2 ゆっくり教える時間を取る
3.3 何度も説明する
3.4 上司を好きになってもらう
4 ADHDの部下への向き合い方
5 まとめ
ADHDとは?

簡単にADHDとは何かを説明します。
ADHDの定義は以下の通りです。
ADHD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
注意欠陥・多動性障害。多動性(過活動)や衝動性、また不注意を症状の特徴とする神経発達症もしくは行動障害である。
症状
・ケアレスミスしやすく物事を忘れやすい
・ひとつの作業に集中し続けるのが難しい
・絶え間なく喋り続ける
・じっと座っていることができない
など
だいぶ省略したので、より深く知りたい方は上記の出典からどうぞ。
これを見てあなたはどう思いましたか?
・「やっぱり一緒に仕事するのは難しそうだな」
・「ちょっと仲良くできそうにないな・・・」
おそらくネガティブな意見の方が多いと思います。
しかし、「ADHDだから」の一言で片付けないでください。
ADHDは病気です。
ADHDの方もなりたくてなっているわけではありません。
ツラい思いをされている方もいます。
ADHDの部下と仕事をしていく上で最も大切なのは「理解をすること」です。
これは大事なポイントなのでも一回言います。
「理解をすること」です。
あなたのADHDを理解する気持ちがなければ絶対に上手くいきません。あなたがイライラしてお終いです。
私がADHDの部下を持ち強く思いました。この後、実例を交えて詳しく解説していきます。
そこで、少しでもADHDに対する考えを改めてもらうと嬉しいです。
ADHDの部下

では、私の実例を交えてADHDの部下についてお話ししていきます。
その部下をAさんとして進めていきますね。
Aさんの特徴は以下の通りです。
・指示を聞いたまま受け取る
・行動が0か100かで極端
・ミスがかなり多い
・やりたいことに夢中になる
・集中しすぎて周りが見えなくなる
・「なにか間違ったこと言いました?」が口癖
この特徴だけ見るとなかなかクセが強いですよね(笑)
では、Aさんが他の部下より劣っていたのか?
全くそんなことはありません。
むしろ逆です。
営業成績では東関東エリアで1位になったこともあります。
それだけではありません。
学んだことを次の日には即座に実行する行動力もありました。
断言します。
「やる気がなく何となくで仕事をしているスタッフ」よりも確実に実力は上でした。
もちろん細かいミスは目立ちましたが、他のスタッフと同等の結果を出していました。
むしろAさんの方が優れていました。
つまり、ADHDだからと言って必ずしも仕事ができないわけではないのです。
環境次第では想像以上の結果を出すことも可能なんです。
しかし、上手くコミュニケーションが取りづらいのも事実です。
そこで次に私がどのように向き合い指導したのかを書いていきます。
ADHDの部下への指導

ADHDの部下への指導で意識した点は以下の通りです。
・放置しない
・ゆっくり考える時間を取る
・何度も説明する
・上司を好きになってもらう
一つづつ解説していきます。
放置しない
最も意識したのは放置しないことです。
Aさんなりに考えたアイデアは他のスタッフとは大きく方向性が違うことが多々ありました。
こちらがそのまま放置してしまえば大きなミスにつながります。
それはAさんだけでなく現場のスタッフ全員に大きな影響を与えます。
ですので、何をするかの確認は頻繁に行ってください。
できるだけ目を離さず注意を向けてあげてくださいね。
ゆっくり教える時間を取る
ゆっくり教える時間を取ることも大切です。
Aさんに指導する際、ゆっくりと教える環境を作った上で行いました。
そうすればお互いが安心してコミュニケーションを取ることができます。
こちらが焦って簡潔に指導しがちですが、やめてください。
そういう態度は相手に伝わります。
すると、思わぬ行動に発展することがあります。
指導する際は、しっかり環境を整えてあげてください。
何度も説明する
指導するときは、何度も説明することを意識してください。
1回説明しただけでは理解できないことが多いです。
しかし、相手に悪気はまったくありません。分かるまで丁寧にこちらから何度も教えてあげるのです。
私は、Aさんが仕事を上手くできたら必ず褒めていました。
わかってくれるときが必ずきます。
こちらから向き合おうとする気持ちを忘れないでください。
上司を好きになってもらう
Aさんは好き嫌いの熱量の差が激しかったです。
好きなことは全力でやるけど嫌いなことはまったくやる気が起きない子でした。
そのため、指導する前提として私を好きになってもらう必要がありました。
Aさんと信頼関係を築くための努力は怠りませんでした。
一例をご紹介します。
・弱点を肯定し続ける
・良いところを見つけてほめ続ける
・武器を見つけ優れていると言い続ける
・こちらから成長するためのアドバイスを与え続ける
特に意識したのはこんな感じです。
参考になれば嬉しいです。
このように気をつけたポイントはいくつかあります。
しかし、この指導のポイントはADHDではない部下の指導にも共通します。
つまりADHDだからと言っても一般的な部下と変わらないところもたくさんあるのです。
ADHDの先入観を無くして接すれば、きっと指導も上手くいきます。
意識しながら、ADHDと向き合ってください。
ADHDの部下との向き合い方

最後に私の印象に深く残っているAさんとの会話を書きます。
私がどのようにAさんと向き合っていたかを参考にしていただけたらと思います。
ある日の勤務中
Aさん:「話があるので時間をください。」
秋山:「どうしたの?」
Aさん:「私は障害者です。ADHDと診断されました。会社をクビになりますよね?」
秋山:「ADHDって命に関わる病気なの?」
Aさん:「いえ、心とか頭がおかしい病気です。」
秋山:「じゃあそれは、先天性?それとも後天性でなったの?」
Aさん:(泣きながら)「生まれつきです。」
秋山:(笑いながら)「なら、大丈夫だよ。Aさんはその個性を生かしてここまで結果を出してきたんでしょ?」
Aさん:(びっくりしたように)「・・・」
秋山:「営業成績ならこのエリアならぶっちぎり一位だよ?何よりそのちょっと周りと違う感じが俺は凄いと思ってここまで教育してきたからね!」
Aさん:「本当ですか?でも秋山さんは良くても会社はどうなんですか?」
秋山:「そうだね~辞めさせないけど、もし辞めさせるなら俺も一緒に辞めて新しい会社つくるから一緒にやろう!」
Aさん:(泣きながら)「はい、ありがとうございます・・・」
その後、Aさんは今まで以上に一生懸命仕事に取り組み実績も伸ばして行きました。
私が先入観でAさんと向き合うことを辞めていたらどうだったでしょう。
Aさんは仕事で結果を出せないどころかすぐに退職したかもしれません。
もちろん個人差はあると思います。
しかし、ADHDだからと言って偏見を持つことは止めてほしい。
自分の才能や個性を見つけ仕事で輝けるのは全員が同じ条件なのです。
知っておきたいADHDの部下への指導メソッド【まとめ】
いかがだったでしょうか?
以上が、知っておきたいADHDの部下への指導メソッドです。
ADHDと聞くとどうしても偏見を持たれがちです。
しかしADHDでも活躍できるAさんを間近で見てきた私だから断言できます。
ADHDでも人並み以上に活躍できます。
ただし、ADHDの方を受け入れられる「環境」が必須です。
もし、あなたがADHDの部下を持ったらあなたが変わらなければなりません。
あなたが全力でその部下に向き合って、ADHDの方でも活躍できるのです。
相手のせいにするのではなく、あなたが責任を持ち寄り添ってあげて下さい。
ADHDを持っているあなたも自分を過小評価しないでください。
「あなたの能力を認めてくれる会社」や「あなたが活躍できる会社」は必ずあります。
まずは小さなことでもいいので行動から始めてみて下さい。
・「いつもより同僚に積極的に話してみよう」
・「いつもよりさらに笑顔で接客してみよう」
何でもいいんです。
必ずあなたを見てくれる人はいます。
この記事を読んで、あなたのADHDに対する偏見が少しでもなくなると嬉しいです。
そしてこれを踏まえて、誰もが活躍できる職場作りに挑戦してみてください!
最高の結果は最高の行動から